
先日、昔担当させていただいた末期がんの患者さんのことを久しぶりに思い出しました。
治療家になって長いですが、「この仕事をしていて良かった」と心から思えた出来事の一つです。
私たち治療家は、「治す」ことを目標に日々施術しています。
でも、長く臨床に立っていると、どうしても治せない患者さんと出会います。
その代表が、末期がんの患者さんでした。
私にできることは、病気を治すことではありません。
それでも私は、施術をし続けました。
どのような経緯で施術を依頼されたのか
その患者さんとの出会いは、ご本人からの切実なご相談でした。
この点を詳しく確認したい方は、患者様が継続を決める5つの瞬間も参考にしてください。
「肺がんの末期で、病院での治療はもう難しいと言われています、現在は通院しながら痛み止め中心の投薬を受けています。肺がんの痛みを少しでも痛みを和らげることが出来ませんか?」
次の判断材料として、患者様と卒業までのゴールを共有する考え方もあわせて確認できます。
自宅療養では、ベッドの上で過ごす時間がほとんど、痛みはきついときはモルヒネを病院からもらっているがモルヒネを使うと痛みはなくなるけれど、頭がボーっとしてただじっと横たわっているだけになる。できるならモルヒネを使いたくないというものでした。私にできることは劇的な改善ではなく、硬くなった筋肉を優しく緩め、少しでも呼吸をしやすくすること、そして何より、痛みに満ちた日常の中で安心できる時間を作ることでした。
はじめは週に1回、通院していただくことになりました。
私にできたのは「痛みを和らげる時間」を作ること
施術をすれば、がんが治るわけではありません。命が延びるわけでもありません。
それでも施術の後は、
「少し楽になった。」
そう言っていただけました。
私は治療というより、ホスピスのような気持ちで、その時間を過ごしていました。
【集客ひとりのひとりごと①】
私は、「治せないから意味がない」と思ったことはありません。
その方にとって、その時間が少しでも安らぐ時間になるなら、それも治療家としての役割だと思っています。
施術中の会話と、交わした時間
ベッドに向かうと、最初は表情もこわばり、呼吸も浅くなっていることが多かったです。
この点を詳しく確認したい方は、患者様の話を聴くことが安心につながる理由も参考にしてください。
「今日は少し顔色がいいですね」
そう声をかけると、
「モルヒネの量を減らしても痛みが和らいだ感じがしてきています。」
日によっては全身の倦怠感が強くてかなりしんどそうな日もありました。そんな日は、無理に言葉を交わすことはしません。ただそっと身体に触れ、硬くなった背中や腰の緊張をゆっくりとほどいていく。
「今日は少し楽だった」
「先生のところに来る日が待ちどおしかった」
施術の終わり際に、ぽそっと漏らしてくださるその言葉が、当時の私の何よりの原動力でした。ご家族とも「今日は少し眠れたようです」といった何気ないやり取りを重ねながら、共に時間を共有していました。
「この先生と会えてよかった」と思ってもらえる存在でありたい
治療家の仕事は、必ず治すことだけではないと思っています。
もちろん改善を目指します。
でも、それが叶わない患者さんもいます。
そんなとき私は、
「この先生と出会えてよかった。」
そう思っていただける時間を作りたいと考えています。
身体だけではなく、心も少し軽くなる。そんな存在でありたいと思っています。
突然の別れと、忘れられない出来事
その患者さんが亡くなられたと聞き、私はお線香をあげに伺いました。
訃報を聞いたときの胸にぽっかりと穴が空いたような感覚は、今でも鮮明に覚えています。「もっと何かできたのではないか」という自問自答もありましたが、それでも最後のご挨拶をしたいとご自宅へ伺いました。
お仏壇に手を合わせ、静かにご挨拶をさせていただいた後、奥様が温かいお茶を出してくださいました。
そのとき、奥様がふと、こんな言葉をかけてくださいました。
「先生の所に行くと、主人は本当に楽になったと喜んでいました。」
その瞬間、私は胸がいっぱいになりました。
病気を治すことはできませんでした。痛みを取り去ることもできませんでした。
でも、その方の苦しい時間を少しだけ和らげることはできたのかもしれない。そう思えました。
やっていて良かったと思える瞬間
治療家という仕事は、結果だけでは測れません。
患者さんからいただく、
「ありがとう。」
「先生に会えて良かった。」
その言葉が、何よりの報酬になることがあります。
あの日、奥様からいただいた言葉は、今でも私の中で治療家としての原点になっています。
まとめ
私たちは、すべての患者さんを治せるわけではありません。
だからこそ、治せない患者さんと、どう向き合うのか。
そこに、その治療家の人柄が表れるのではないでしょうか。
私はこれからも、改善を目指すことはもちろん、もし改善が難しい患者さんであっても、「先生と会えてよかった」そう思っていただける時間を提供できる治療家でありたいと思っています。
治療家の価値は、「何人治したか」だけではありません。人生のつらい時間に寄り添い、「この先生と出会えてよかった」と思っていただけることも、治療家にしかできない大切な仕事だと私は信じています。
📝 この記事を書いた人

集客一人:飯沼啓介(臨床の現場からWEBマーケティングへ)
柔道整復師・鍼灸師
20年間の臨床歴とグループ院の経営経験を生かして、現在兵庫県明石市で完全自費の「西新町鍼灸整骨院」を2026年4月に開院。
得意なパソコンスキルを活かして「どうすれば本当に必要としている患者さんに届くのか?」を突き詰めた結果、広告に頼る前に“検索者の不安を網羅するホームページの仕組み”を自ら作り上げることに成功。
現在はその実体験とノウハウをもとに、現場の院長が自力で集客を立て直すためのリアルなプロセスをこのブログで全公開しています。



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