保険患者と自費患者の本気度の違い|保険併用院(ハイブリッド)から自費専門院にして感じたこと

私は以前、健康保険を使った施術と自費施術の両方を行う、いわゆる「ハイブリッド型」の整骨院を経営していました。

現在は健康保険を取り扱わず、完全自費の治療院として経営しています。

両方を経験して感じる違いはいくつもあります。

客単価も違います。
必要な新規患者様の人数も違います。
ホームページで伝える内容も違います。

しかし、私が一番大きく変わったと感じているのは、患者様が「何を求めて来院したのか」の明確さです。

最初は単純に、

「自費患者様の方が本気度が高い」

と思っていました。

でも、実際に自費専門院を続け、いろいろな患者様の話を聞いていると、それほど単純ではないことにも気づきました。

今回は、保険併用院から完全自費院へ変えた私が感じている、保険患者様と自費患者様の「本気度」の違いについて書いてみます。


保険併用院の頃は「とりあえず診てもらう」患者様もいた

健康保険を使えることには、患者様にとって大きなメリットがあります。

自己負担が抑えられるため、身体に不調を感じたときに相談しやすい。

来院へのハードルが低くなります。

もちろん、保険で来院される患者様の中にも、本当に困っている方はたくさんいらっしゃいます。

だから私は、

「保険患者様は本気ではない」

と言いたいわけではありません。

ただ、保険併用院を経営していた頃を振り返ると、

「近かったから」

「保険が使えるから」

「とりあえず一度診てもらおう」

という理由で来院される方もいました。

つまり、来院する理由が必ずしも、

「この先生に診てもらいたい」

ではないのです。

ここが、完全自費院になって大きく変わったところでした。


自費患者様は「何をしに来たのか」が明確

現在、私の院は完全自費です。

当然ですが、患者様は自分のお金を払って施術を受けます。

そうなると、患者様も治療院を簡単には選びません。

ホームページを読む。

自分の症状について調べる。

院長紹介を見る。

施術について読む。

料金を確認する。

場合によっては他の治療院とも比較する。

それでも、

「ここで一度相談してみよう」

と思った方が予約されます。

そのため、初診でお話を聞いていると、

  • 何に困っているのか
  • 何を何とかしたいのか
  • これまで何をしてきたのか
  • なぜ私の院を選んだのか

が比較的明確です。

私はこれが、自費患者様の「本気度」の正体の一つなのではないかと思っています。


悩みが明確だから、こちらからの提案も通りやすい

これは自費専門院になって、かなり感じるようになりました。

患者様自身が、

「私はこれを何とかしたくて来た」

という目的を持っています。

さらに、

「いろいろ調べたうえで、この院を選んだ」

という理由もあります。

だから初診で、

「今の状態なら、最初はこのくらいの間隔で診ていきましょう」

「まずはここを目標にしていきましょう」

「ご自宅では、これを意識してください」

と提案したときに、話が通りやすいのです。

これは「自費だから言うことを聞いてくれる」という話ではありません。

患者様自身に目的があるから、

こちらの提案を、その目的へ進むための一つの方法として理解してもらいやすい。

ここが重要だと思っています。

【集客一人のひとりごと①】
自費専門院になって感じるのは、初診の時点で話が早いことです。

「何に困っているのか」

「どうなりたいのか」

「なぜうちを選んだのか」

が比較的はっきりしています。

悩みが明確だから、院を選んだ理由も明確になる。
院を選んだ理由が明確だから、こちらの提案にも納得してもらいやすい。

私は自費患者様の「本気度」とは、単純に支払う金額の問題ではなく、来院する目的の明確さなのではないかと思っています。


しかし「自費=本気」ではなかった

ここまでは、自費患者様の方が本気度が高いように聞こえるかもしれません。

しかし、実際に患者様からいろいろな話を聞いていると、そんなに単純でもありません。

私の院へ来られた患者様から、以前通っていた治療院について話を聞くことがあります。

ある患者様は、「腰痛専門」を掲げる完全自費の治療院に1回8,000円ほど支払って通っていたそうです。

しかし、ご本人としては期待していた変化を感じられず、最終的に別の治療院を探すことになりました。

また別の患者様からは、

「大手の整骨院で約20万円の回数券を購入した」

という話を聞いたことがあります。

最初は当然、

「身体を何とかしたい」

と思って通っていたのでしょう。

ところが後半になると、

「良くなるために通う」というより、「まだ回数券が残っているから通う」

という感覚になっていたそうです。

この話は、私自身かなり考えさせられました。


20万円払っても、目的を失えば「回数券の消化」になる

20万円の回数券を購入する。

金額だけを見れば、本気度は相当高かったはずです。

それでも途中から、

「何のために通っているのだろう」

となってしまうことがある。

つまり、

高い料金を払う=本気になる

ではないのです。

8,000円の施術だから本気になるわけでもない。

20万円の回数券を買ったから、最後まで高いモチベーションで通えるわけでもない。

患者様が、

「私は何を良くしたくて、なぜここへ通っているのか」

を見失えば、自費施術でも通院は作業になってしまいます。

そして、

「あと何回残っていたかな」

という回数券を消化するための通院になってしまう。

私は、これは患者様だけの問題ではないと思っています。


「契約が取れた」と「患者様が納得して通う」は違う

自費経営の世界では、

「回数券をどう販売するか」

「高額メニューをどう契約してもらうか」

「成約率をどう上げるか」

という話がよく出てきます。

経営ですから、契約率や売上を考えることは当然です。

私自身も考えます。

しかし、20万円の回数券を購入しても、後半に患者様が「残っているから通っている」という状態になってしまったら、本当に良い契約だったのでしょうか。

私はここを考えるようになりました。

「提案が通った」ことと、「患者様が納得して通っている」ことは違います。

初診で、

「分かりました。通います」

と言ってもらうことがゴールではありません。

5回目でも10回目でも、

「私は何のためにここへ来ているのか」

を患者様自身が理解できていることの方が重要です。


治療家は「現在地」を患者様と共有し続ける必要がある

だからこそ私は、初診時の説明だけでは足りないと思っています。

例えば、

「最初はここに困っていましたよね」

「最初と比べて、ここは変わってきましたね」

「一方で、ここはまだ残っています」

「次はここを目標にしましょう」

と、途中で現在地を確認する。

患者様と施術者が、同じ目的を見ながら進んでいる状態を作る必要があります。

回数券を売ったから、あとは決められた回数を消化する。

私は、それを自費診療とは考えていません。

【集客一人のひとりごと②】
20万円の回数券を買った患者様の話は、本当に考えさせられました。

20万円を払ったのだから、最初の本気度は高かったと思います。

でも途中から「良くなるために通う」ではなく、「買った回数券が残っているから通う」になってしまった。

これは患者様の本気度だけの問題ではないと思います。

治療家側も、

「今どこまで来たのか」

「何が変わったのか」

「これから何を目指すのか」

を共有し続けなければいけない。

初診で20万円を契約してもらうことより、10回目でも患者様が「私は何のためにここへ来ているのか」を理解していることの方が大切です。


「腰痛専門」「8,000円」だけでは価値にはならない

もう一つ、1回8,000円ほどの「腰痛専門」の自費院へ通っていた患者様の話からも考えさせられました。

「専門」と書けば専門院になるわけではありません。

8,000円に設定すれば、8,000円の価値が自動的に生まれるわけでもありません。

これは私自身にもそのまま当てはまります。

完全自費院だから偉いわけではない。

施術料金が高いから腕が良いわけでもない。

専門性をホームページで打ち出したから、それだけで患者様が満足するわけでもない。

結局は、

「なぜこの院を選ぶのか」

という来院前の期待と、

「ここへ来て良かった」

という来院後の体験を一致させていかなければなりません。

ここがずれてしまえば、どれだけ上手に集客しても長続きしないと思います。


自費化とは「値上げすること」ではない

私も保険併用院から完全自費院へ変わりました。

だからこそ感じるのですが、

自費化=施術料金を上げること

ではありません。

料金だけ自費にしても、考え方が以前と同じなら、本当の意味での自費化にはならないと思います。

患者様に、

「なぜこの施術をするのか」

「何を目指しているのか」

「なぜこの頻度なのか」

「現在どこまで来ているのか」

を説明する。

そして患者様自身にも施術へ参加してもらう。

自費になるほど、私は治療家側にも責任が増えると感じています。

患者様から8,000円いただくのであれば、

「8,000円払ってでも来て良かった」

と思ってもらえる仕事をしなければならない。

自費化は患者様の本気度だけではなく、治療家側の本気度も問われる仕組みなのだと思います。


ホームページは来院前から「目的」を作っている

そして、この話はホームページにもつながります。

自費患者様が初診時から、

「何を何とかしたいのか」

「なぜこの院なのか」

を明確にして来院されるのは、予約前にホームページを読んでいることも大きいと思っています。

症状ページを読む。

院長の考えを読む。

料金を見る。

施術方針を確認する。

患者様の声を見る。

そうやって、

「自分の悩みなら、この先生に相談してみよう」

と納得してから予約する。

つまりホームページの仕事は、単に予約ボタンを押してもらうことだけではありません。

患者様自身に「私は何に困っていて、なぜこの院へ行くのか」を来院前に整理してもらうこと。

これもホームページの大切な役割だと思っています。

だから、ホームページをしっかり読んで来られた患者様ほど、初診での説明や施術計画の提案もスムーズになりやすいのです。

【集客一人のひとりごと③】
私は以前、ホームページの役割を「新規患者様を連れてくること」だと思っていました。

今は少し違います。

ホームページは、患者様を連れてくるだけではありません。

「私は何に困っているのか」

「どうなりたいのか」

「なぜこの先生に診てもらいたいのか」

そこまで考えてから来院してもらう。

だから初診の時点で話が合うんです。

良いホームページは新患を増やすだけではなく、院と患者様のミスマッチを減らしてくれる。

完全自費院になって、この価値を以前より強く感じるようになりました。


まとめ|本気度とは「支払った金額」ではなく「目的の明確さ」

保険併用院と完全自費院。

両方を経験して、確かに私は患者様の違いを感じています。

完全自費院では、

「何を何とかしたくて来たのか」

が明確な患者様が多い。

そして、

「なぜこの院を選んだのか」

も明確です。

だからこちらの施術計画や通院についての提案も伝わりやすい。

しかし一方で、患者様から聞いた話を通じて、

自費=本気

ではないことも分かりました。

8,000円払っても期待した結果につながらなかったと感じる人はいる。

20万円の回数券を購入しても、途中から目的を見失ってしまう人もいる。

だから私が今考える「本気度」は、支払った金額ではありません。

自分は何に困っているのか。
どうなりたいのか。
なぜこの院を選んだのか。
何のために通っているのか。

これを患者様と治療家が共有できていることです。

【集客一人のひとりごと④】
完全自費院にして一番変わったのは、客単価ではなかったのかもしれません。

患者様との関係が変わりました。

自分のお金を払ってでも何とかしたい患者様が来る。

私も、その金額以上の価値を返そうと本気になる。

ただし、高いお金を払わせれば患者様が本気になるわけではありません。

患者様が目的を見失えば、20万円の回数券でさえ「消化するもの」になってしまいます。

だから私は、患者様の本気度を上げることより、本気で通える理由を一緒に作り続けることの方が大切だと思っています。

自費化とは単価を上げることではない。

患者様と治療家が同じ目的を持って施術に向き合える関係を作ること。

保険併用院と完全自費院の両方を経験した今、それが私の考える自費診療です。

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📝 この記事を書いた人

集客一人:飯沼啓介(臨床の現場からWEBマーケティングへ)

柔道整復師・鍼灸師

20年間の臨床歴とグループ院の経営経験を生かして、現在兵庫県明石市で完全自費の「西新町鍼灸整骨院」を2026年4月に開院。

得意なパソコンスキルを活かして「どうすれば本当に必要としている患者さんに届くのか?」を突き詰めた結果、広告に頼る前に“検索者の不安を網羅するホームページの仕組み”を自ら作り上げることに成功。
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